2023.
11.
20
『私はイワナガヒメを推していますが何か。』という連載をやっていた時、岩=ゴツゴツしていて醜い、という価値観は有り得ない!と思って、神名や皇族名で『いわ』はあるかどうかを調べてみましたが、実際結構ありました。
神武天皇からして神日本磐余彦天皇(かんやまといわれびこのすめらみこと)ですし。
※ by日本書紀
※ 因みに古事記は神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)
イワレというのは地名という事になっていますが、日本書紀は音優先の古事記と違って、漢字に意味を持たせていることが多いので、『磐/いわ』という字を使ったという事は避けるべき文字ではないということです。
そして、私はとうとう見付けたのでした。
あの、聖帝と名高い仁徳天皇の皇后・磐之媛(いわのひめ)様という高貴な身分の女性を!
磐之媛。
特に記述はありませんが、斎(いわ-い)の姫ですから、この御方も神懸かりの巫女であったのでしょうか。
そして、私は記紀を読んでみて、奇妙な既視感を覚えたのです。
その1.皇后磐之媛はとても嫉妬深い。仁徳帝が他の女性を召そうとすると足を踏み鳴らして怒るほど嫉妬深い。磐之媛を恐れて他の女性は入内を拒むほど嫉妬深い。
その2.かまどの美談しか知らなかった私にとっては意外なことに、仁徳天皇はかなり多情である。皇后が嫉妬深いから「女官が私に仕えることが出来ない」とか「愛しの異母妹を嫁に出来ない」とか他の女とイチャつけないといちいち嘆く。…とかいうことを、いちいち記載される天皇って珍しいと思うのですが?
その3.そんな仁徳帝が特に執着したのが、異母妹の八田皇女。磐之媛が嫌がるので娶れずにいたところ、磐之媛が神事の準備のために紀伊まで船で出掛けている隙に、愛しの八田皇女をとうとう宮に連れ込むことに成功した仁徳天皇。
その4.磐之媛はその事を伝え聞いて怒り、神事のために集めていた柏の葉を海に投げ捨て、天皇の宮には向かわず実家に帰ってしまう。
その5.そうとも知らず、紀伊から磐之媛が戻ってくると聞くとワクワクしながら自分も船で待機する仁徳天皇。浮気者のくせに磐之媛にめっちゃ惚れてる。磐之媛が戻らないと知って、焦って歌を詠み使者を出す仁徳帝。使者に会っても口も利かない磐之媛。それで部下をズラズラ引き連れて行幸し、「一緒に寝た仲じゃないかよ~戻って来てくれよ~」(そう外してもいないと思う意訳)とエロい歌を詠んでもガン無視で帰らない磐之媛。
その6.許してくれないし戻って来てくれない磐之媛を想い悲しみ恨むも、磐之媛が崩御するとさっさと愛しの八田皇女を次の皇后に立てた仁徳天皇。何このカス男。
その7.あれほど他の妃と同衾できないと愚痴っていたのに、実は磐之媛の他に仁徳天皇の子をふたり生んだ妃が存在する。皇太子時代に父の応神天皇から譲られた妃なので、磐之媛も文句を言いづらかったのかも知れませんが。(八田皇女との間に子は無し)
その8.上記の妃の名は日向髪長媛(ひむかのかみながひめ)っていうんですけどね。因みにめっちゃ美女。譲ったものの応神天皇が後で惜しむくらい絶世の美女。
何この、仁徳天皇と大国主と磐之媛とスセリヒメとイワナガヒメがごちゃ混ぜになってる感じ?
神武天皇からして神日本磐余彦天皇(かんやまといわれびこのすめらみこと)ですし。
※ by日本書紀
※ 因みに古事記は神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)
イワレというのは地名という事になっていますが、日本書紀は音優先の古事記と違って、漢字に意味を持たせていることが多いので、『磐/いわ』という字を使ったという事は避けるべき文字ではないということです。
そして、私はとうとう見付けたのでした。
あの、聖帝と名高い仁徳天皇の皇后・磐之媛(いわのひめ)様という高貴な身分の女性を!
磐之媛。
特に記述はありませんが、斎(いわ-い)の姫ですから、この御方も神懸かりの巫女であったのでしょうか。
そして、私は記紀を読んでみて、奇妙な既視感を覚えたのです。
その1.皇后磐之媛はとても嫉妬深い。仁徳帝が他の女性を召そうとすると足を踏み鳴らして怒るほど嫉妬深い。磐之媛を恐れて他の女性は入内を拒むほど嫉妬深い。
その2.かまどの美談しか知らなかった私にとっては意外なことに、仁徳天皇はかなり多情である。皇后が嫉妬深いから「女官が私に仕えることが出来ない」とか「愛しの異母妹を嫁に出来ない」とか他の女とイチャつけないといちいち嘆く。…とかいうことを、いちいち記載される天皇って珍しいと思うのですが?
その3.そんな仁徳帝が特に執着したのが、異母妹の八田皇女。磐之媛が嫌がるので娶れずにいたところ、磐之媛が神事の準備のために紀伊まで船で出掛けている隙に、愛しの八田皇女をとうとう宮に連れ込むことに成功した仁徳天皇。
その4.磐之媛はその事を伝え聞いて怒り、神事のために集めていた柏の葉を海に投げ捨て、天皇の宮には向かわず実家に帰ってしまう。
その5.そうとも知らず、紀伊から磐之媛が戻ってくると聞くとワクワクしながら自分も船で待機する仁徳天皇。浮気者のくせに磐之媛にめっちゃ惚れてる。磐之媛が戻らないと知って、焦って歌を詠み使者を出す仁徳帝。使者に会っても口も利かない磐之媛。それで部下をズラズラ引き連れて行幸し、「一緒に寝た仲じゃないかよ~戻って来てくれよ~」(そう外してもいないと思う意訳)とエロい歌を詠んでもガン無視で帰らない磐之媛。
その6.許してくれないし戻って来てくれない磐之媛を想い悲しみ恨むも、磐之媛が崩御するとさっさと愛しの八田皇女を次の皇后に立てた仁徳天皇。
その7.あれほど他の妃と同衾できないと愚痴っていたのに、実は磐之媛の他に仁徳天皇の子をふたり生んだ妃が存在する。皇太子時代に父の応神天皇から譲られた妃なので、磐之媛も文句を言いづらかったのかも知れませんが。(八田皇女との間に子は無し)
その8.上記の妃の名は日向髪長媛(ひむかのかみながひめ)っていうんですけどね。因みにめっちゃ美女。譲ったものの応神天皇が後で惜しむくらい絶世の美女。
何この、仁徳天皇と大国主と磐之媛とスセリヒメとイワナガヒメがごちゃ混ぜになってる感じ?

- 関連記事
-
- 仁徳天皇と大国主の鎮魂:その8 (2023/11/29)
- 仁徳天皇と大国主の鎮魂:その7 (2023/11/28)
- 仁徳天皇と大国主の鎮魂:その6 (2023/11/27)
- 仁徳天皇と大国主の鎮魂:その5 (2023/11/26)
- 仁徳天皇と大国主の鎮魂:その4 (2023/11/23)
- 仁徳天皇と大国主の鎮魂:その3 (2023/11/22)
- 仁徳天皇と大国主の鎮魂:その2 (2023/11/21)
- 仁徳天皇と大国主の鎮魂:その1 (2023/11/20)
- 令和と令月とマンゲツモチの呪い。その3 (2020/09/30)
- 令和と令月とマンゲツモチの呪い。その2 (2020/09/29)
- 令和と令月とマンゲツモチの呪い。その1 (2020/09/28)
- 今上の宮号が洪水を呼ぶ。その2 (2020/07/11)
- 今上の宮号が洪水を呼ぶ。その1 (2020/07/10)
- 令和の呪いは暗愚の帝には解けない。:その参 (2020/06/17)
- 令和の呪いは暗愚の帝には解けない。:その弐 (2020/06/16)
NEXT Entry
NEW Topics