2023.
01.
26
私がかねてから気になっていたのは、大国主が何人の姫を妻にしたところで、遠距離結婚ではその姫が産んだ子供が自分の子であると、どうやって納得するんでしょうか?ということです。
結果的に特定の女性が寵姫になりふたりでイチャイチャならほぼ間違いないのでしょうが、元々政略結婚なんですから色っぽい歌を贈り合ったところで動機は打算です。
伝えられているだけでも大国主を振った女は2人いる(ヌナカワヒメの地元伝承を入れると3人になる)んだし、大国主の方が力が強かったので嫌々ながら妻問いに応じた姫もいたことでしょう。
その、嫌々ながらの姫は、遠距離結婚の夫がいない間、本命の男と子を設けるなんて、簡単に出来てしまうはずです。
……遠距離じゃ、なかったとしたら?
私は、以前ヤガミヒメを気の毒に思いつつも、どうも無神経で軽率な姫という印象が拭えませんでした。
そもそも、密やかにオオナムチの妻問いに応じて夜の間に致してしまえば結婚成立でしょうに、何で八十神の前でズバッと「私はあなた達の言うことは聞きません。オオナムチの妻になります!」とか言っちゃったかなー。
そんな派手なことをやらかした所為で、オオナムチは命の危機です。
そして、2度も死んで2度生き返るも、それでもなお兄神達が殺意満々で紀国まで追いかけてくるので、大屋毘古は自分じゃどうしようもないと大己貴は根の国に贈られて、そこで更にスサノオ様から殺意満々の試練を3度も仕掛けられるのです。
オオナムチが根の国から出雲に脱出すると、妊娠したヤガミヒメは大国主の元に向うのですが、そこに待ち受けていたのはギリシャ神話のヘラの如くに強烈に美しく強烈に嫉妬深い正妻様。
これ、いかにもスセリヒメが悪くてヤガミヒメが可哀想みたいに言われてますが、スサノオ様ご指定愛の巣・宇迦の宮に別の妻が孕んでノコノコやって来たら、正妻はブチ切れる権利があると言うものです。
況してや、大国主(オオナムチ)は入婿という身分です。
出雲の巫女王・スセリヒメ様の方が大国主よりも格上です。
怒りはヤガミヒメだけではなく当然に大国主にも向って
「何を勝手に妾と子供を作っていらっしゃるの…?離婚して政治王の椅子から蹴飛ばして差し上げても良くってよ」
とか、素晴らしい目力で言って下さったなら最高ですスセリヒメ様。
ヤガミヒメは生まれた子を『木の股に挟んで』自分だけ因幡に帰るという謎の行動を取るのですが、まさかクニャクニャの新生児を置いて行ったとも思えませんし、個人差はありますが産婦が旅に出るほど体調が回復するには数ヶ月かかるでしょう。
ヤガミヒメは、結局は妊娠期間~出産~産後何ヶ月かの、案外長い間出雲に滞在していたことになります。
まあ、実は今の私の脳内をネタバレしますと、ヤガミヒメ=スセリヒメなのですが、この話はまた別の機会に。
でも、ヤガミヒメの名で上記のようなストーリーが作られたという事は、古代では遠距離結婚などしていなかった、という証拠にはなると思うのです。
つまり、大国主は各地の有力者の娘を娶り、自分の拠点まで連れてきていた。
考えてみれば、遠距離では姫を手に入れても継続して通い子を産ませることは困難ですから、自分の傍に連れてくるのです。
これならば、嫁入り風味だけど通い婚、という形で複数の妻を確保出来ます。
播磨国風土記に、どういう訳か伊和大神(大国主とされている)がコノハナサクヤヒメを娶った(ニニギの妻とは別ということになっているけど、私はこんな美称が付くほどの美女がふたりいるとは思えない)とかいう話があり、それにまつわる地名も記述されています。
ということは、伊和大神は、コノハナサクヤヒメを連れてきたんです。
本拠地に囲う為に。
(つづく)
結果的に特定の女性が寵姫になりふたりでイチャイチャならほぼ間違いないのでしょうが、元々政略結婚なんですから色っぽい歌を贈り合ったところで動機は打算です。
伝えられているだけでも大国主を振った女は2人いる(ヌナカワヒメの地元伝承を入れると3人になる)んだし、大国主の方が力が強かったので嫌々ながら妻問いに応じた姫もいたことでしょう。
その、嫌々ながらの姫は、遠距離結婚の夫がいない間、本命の男と子を設けるなんて、簡単に出来てしまうはずです。
……遠距離じゃ、なかったとしたら?
私は、以前ヤガミヒメを気の毒に思いつつも、どうも無神経で軽率な姫という印象が拭えませんでした。
そもそも、密やかにオオナムチの妻問いに応じて夜の間に致してしまえば結婚成立でしょうに、何で八十神の前でズバッと「私はあなた達の言うことは聞きません。オオナムチの妻になります!」とか言っちゃったかなー。
そんな派手なことをやらかした所為で、オオナムチは命の危機です。
そして、2度も死んで2度生き返るも、それでもなお兄神達が殺意満々で紀国まで追いかけてくるので、大屋毘古は自分じゃどうしようもないと大己貴は根の国に贈られて、そこで更にスサノオ様から殺意満々の試練を3度も仕掛けられるのです。
オオナムチが根の国から出雲に脱出すると、妊娠したヤガミヒメは大国主の元に向うのですが、そこに待ち受けていたのはギリシャ神話のヘラの如くに強烈に美しく強烈に嫉妬深い正妻様。
これ、いかにもスセリヒメが悪くてヤガミヒメが可哀想みたいに言われてますが、スサノオ様ご指定愛の巣・宇迦の宮に別の妻が孕んでノコノコやって来たら、正妻はブチ切れる権利があると言うものです。
況してや、大国主(オオナムチ)は入婿という身分です。
出雲の巫女王・スセリヒメ様の方が大国主よりも格上です。
怒りはヤガミヒメだけではなく当然に大国主にも向って
「何を勝手に妾と子供を作っていらっしゃるの…?離婚して政治王の椅子から蹴飛ばして差し上げても良くってよ」
とか、素晴らしい目力で言って下さったなら最高ですスセリヒメ様。
ヤガミヒメは生まれた子を『木の股に挟んで』自分だけ因幡に帰るという謎の行動を取るのですが、まさかクニャクニャの新生児を置いて行ったとも思えませんし、個人差はありますが産婦が旅に出るほど体調が回復するには数ヶ月かかるでしょう。
ヤガミヒメは、結局は妊娠期間~出産~産後何ヶ月かの、案外長い間出雲に滞在していたことになります。
まあ、実は今の私の脳内をネタバレしますと、ヤガミヒメ=スセリヒメなのですが、この話はまた別の機会に。
でも、ヤガミヒメの名で上記のようなストーリーが作られたという事は、古代では遠距離結婚などしていなかった、という証拠にはなると思うのです。
つまり、大国主は各地の有力者の娘を娶り、自分の拠点まで連れてきていた。
考えてみれば、遠距離では姫を手に入れても継続して通い子を産ませることは困難ですから、自分の傍に連れてくるのです。
これならば、嫁入り風味だけど通い婚、という形で複数の妻を確保出来ます。
播磨国風土記に、どういう訳か伊和大神(大国主とされている)がコノハナサクヤヒメを娶った(ニニギの妻とは別ということになっているけど、私はこんな美称が付くほどの美女がふたりいるとは思えない)とかいう話があり、それにまつわる地名も記述されています。
ということは、伊和大神は、コノハナサクヤヒメを連れてきたんです。
本拠地に囲う為に。
(つづく)

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