2023.
01.
19
オオナムチに弟妹がいても、母親がスサノオ様の嫡妻で出雲女王であるクシナダヒメの子なのですから、せめて政治王の地位を優先して継ぐ権利があったというのもありそうな話なのですが、問題なのはオオトシとウカノミタマの母神が神大市比売という、真意が甚だしいことを示す名を持ち、無視出来ない地位を持っていたと思われる(しかし謎の)女神だということです。
オオナムチ×女王クシナダの息子だからといって、ヤシマジヌミは簡単に次期政治王の地位を約束されていなかった、という可能性もあります。
クシナダヒメとオオイチヒメって仲悪かっただろうな~
古事記の記述通りなら、ヤシマジヌミが確実に王(政治王)になる為には、異母妹のウカノミタマを嫡妻&巫女王にするしかありません。
或いは、系図では無視されているけれども物語上末の姫と推定されるスセリヒメを嫡妻にし以下同文です。
既に今までほかの記事で何度も書いたとおり、この時代の出雲(高天原系も同じだったかもしれない)は末子相続よりも女系相続が重要な母系社会です。
大己貴と八十神がこぞってヤガミヒメに求婚したのは、ヤガミヒメが美人と名高かったからではありません。ヤガミヒメが既に因幡の女王であったか女王に内定している姫だったからです(個人的に美人というか美少女設定してますけど)
であるにもかかわらず、ヤシマジヌミはウカノミタマもスセリヒメも妻にしていません。
ウカノミタマは神裔に名が出るだけですし、スセリヒメと結婚したのはオオナムチです。
ヤシマジヌミの妻は木花知流比売(コノハナサクヤヒメの姉or同体orイワナガヒメ)しか記されておらず、そもそもズラズラ続く後裔の記述も意味不明です。
スサノオとオオナムチの間の世代の神については、名前のみで何のエピソードも無く、古事記が大好きな遊びか何かだと考えるのが妥当だと私も思います。
そして、古事記オオナムチ=日本書紀オオナムチ、が同一神だとすると、
古事記オオナムチ:父・天之冬衣神(あめのふゆきぬ)×母・刺国若比売(刺国大神の娘)
日本書紀オオナムチ:父・素戔嗚尊×母・櫛稲田姫
ということになります。
ここも、つじつま合わせをするなら、
スサノオ=天之冬衣神
クシナダヒメ=刺国若比売(父or母が刺国大神というほどのやんごとなき血筋だと思われる)
一見なんじゃそりゃと思いますが、これは結構面白いのです。
スサノオ~大己貴までの6世で、その名に「天」を冠する男神は天之冬衣神だけで、天津神の可能性があるからです。
女神で「天」を持つ妃神もいるのですが、例えば水神である国之水分神(くにのみまくり)と対になる天之水分神(あめのみまくり)のように、高きにある水を表しているのであって天津神ではない印象を受けました。。
スサノオ様は、私は違うと思っていますけれどもオオヒルメの弟設定であり、高天原追放に草薙剣をオオヒルメに献上した(現実は出雲から奪った戦利品だと思う)ことになっていますから、一応天津神の名誉は保ったままなのだと思います。、
でないと古事記がオオナムチをスサノオの六世の孫にした理由がイミフになります。
古事記が大己貴をわざわざ六世の孫に位置づけたのは、後に『葦原中国を治めるのは(神武天皇に繋がる)天孫族でなければならない』といゴリ押しする《正当性》という、現代人にして見ればわけわからん理屈を通す為です。
既に述べましたが、皇室には『後継者は五世の孫まで』というルールが有るので、スサノオ(天津神でアマテラスの弟という出自)が降った国であれば、たかが地祇の大己貴が大国主になろうと国造りをしようと、
天神スサノオから六世離れた血筋では葦原中国はお前のものではない→ だから天孫の血を引く神武に当然に譲れ(明け渡し奉れ)
という意味です。
アマテラスが勝手に地上を天孫のものと勝手に決めたことさえも、ここに正当性がある訳です。
スサノオ様高天原から追放させたくせにどの口でと思いますけど。
っていうか、
私はそんな正当性も強欲なアマテラスも大嫌いです。
そもそもこの女が葦原中国は良さそうな国だから我が子に治めさせようとか言い出したのが元凶だろうよ。
私は、世界一長い歴史を持ち、神話と歴史の境目すら曖昧であるという、世界遺産級の皇室に対して、日本人として崇敬の意を持ちますが、これはこれ、それはそれです。
それでも気分が悪くなった方は、静かにページを閉じて下さい。
続きを読んで不快になっても、当方は責任を負いません。
オオナムチの両親の話に戻りましょう。
母神の刺国若比売及びその親神・刺国大神についてはこちらをどうぞ。
私は『大神』は『おおかみ』であって、無理矢理『大の神』として格を下げる必要は無いと思うのでそこは意見を異にしますが、『刺国/さしくに』で既に国を治めているという意味なら、大己貴もどこかの王子のような身分ということになります。
しかし、刺国が、どこの国を刺して(治めて)いるのかが記されていません。どこかの族長か王だとわかっているのに、その場所がわからないはずがない。誤魔化されてます。
古事記的にはまあ察してくれ、な箇所でしょうか。
じゃあ察します。古事記だから罠かも知れないけど。
(つづく)
オオナムチ×女王クシナダの息子だからといって、ヤシマジヌミは簡単に次期政治王の地位を約束されていなかった、という可能性もあります。
クシナダヒメとオオイチヒメって仲悪かっただろうな~
古事記の記述通りなら、ヤシマジヌミが確実に王(政治王)になる為には、異母妹のウカノミタマを嫡妻&巫女王にするしかありません。
或いは、系図では無視されているけれども物語上末の姫と推定されるスセリヒメを嫡妻にし以下同文です。
既に今までほかの記事で何度も書いたとおり、この時代の出雲(高天原系も同じだったかもしれない)は末子相続よりも女系相続が重要な母系社会です。
大己貴と八十神がこぞってヤガミヒメに求婚したのは、ヤガミヒメが美人と名高かったからではありません。ヤガミヒメが既に因幡の女王であったか女王に内定している姫だったからです(個人的に美人というか美少女設定してますけど)
であるにもかかわらず、ヤシマジヌミはウカノミタマもスセリヒメも妻にしていません。
ウカノミタマは神裔に名が出るだけですし、スセリヒメと結婚したのはオオナムチです。
ヤシマジヌミの妻は木花知流比売(コノハナサクヤヒメの姉or同体orイワナガヒメ)しか記されておらず、そもそもズラズラ続く後裔の記述も意味不明です。
スサノオとオオナムチの間の世代の神については、名前のみで何のエピソードも無く、古事記が大好きな遊びか何かだと考えるのが妥当だと私も思います。
そして、古事記オオナムチ=日本書紀オオナムチ、が同一神だとすると、
古事記オオナムチ:父・天之冬衣神(あめのふゆきぬ)×母・刺国若比売(刺国大神の娘)
日本書紀オオナムチ:父・素戔嗚尊×母・櫛稲田姫
ということになります。
ここも、つじつま合わせをするなら、
スサノオ=天之冬衣神
クシナダヒメ=刺国若比売(父or母が刺国大神というほどのやんごとなき血筋だと思われる)
一見なんじゃそりゃと思いますが、これは結構面白いのです。
スサノオ~大己貴までの6世で、その名に「天」を冠する男神は天之冬衣神だけで、天津神の可能性があるからです。
女神で「天」を持つ妃神もいるのですが、例えば水神である国之水分神(くにのみまくり)と対になる天之水分神(あめのみまくり)のように、高きにある水を表しているのであって天津神ではない印象を受けました。。
スサノオ様は、私は違うと思っていますけれどもオオヒルメの弟設定であり、高天原追放に草薙剣をオオヒルメに献上した(現実は出雲から奪った戦利品だと思う)ことになっていますから、一応天津神の名誉は保ったままなのだと思います。、
でないと古事記がオオナムチをスサノオの六世の孫にした理由がイミフになります。
古事記が大己貴をわざわざ六世の孫に位置づけたのは、後に『葦原中国を治めるのは(神武天皇に繋がる)天孫族でなければならない』といゴリ押しする《正当性》という、現代人にして見ればわけわからん理屈を通す為です。
既に述べましたが、皇室には『後継者は五世の孫まで』というルールが有るので、スサノオ(天津神でアマテラスの弟という出自)が降った国であれば、たかが地祇の大己貴が大国主になろうと国造りをしようと、
天神スサノオから六世離れた血筋では葦原中国はお前のものではない→ だから天孫の血を引く神武に当然に譲れ(明け渡し奉れ)
という意味です。
アマテラスが勝手に地上を天孫のものと勝手に決めたことさえも、ここに正当性がある訳です。
スサノオ様高天原から追放させたくせにどの口でと思いますけど。
っていうか、
私はそんな正当性も強欲なアマテラスも大嫌いです。
そもそもこの女が葦原中国は良さそうな国だから我が子に治めさせようとか言い出したのが元凶だろうよ。
私は、世界一長い歴史を持ち、神話と歴史の境目すら曖昧であるという、世界遺産級の皇室に対して、日本人として崇敬の意を持ちますが、これはこれ、それはそれです。
それでも気分が悪くなった方は、静かにページを閉じて下さい。
続きを読んで不快になっても、当方は責任を負いません。
オオナムチの両親の話に戻りましょう。
母神の刺国若比売及びその親神・刺国大神についてはこちらをどうぞ。
私は『大神』は『おおかみ』であって、無理矢理『大の神』として格を下げる必要は無いと思うのでそこは意見を異にしますが、『刺国/さしくに』で既に国を治めているという意味なら、大己貴もどこかの王子のような身分ということになります。
しかし、刺国が、どこの国を刺して(治めて)いるのかが記されていません。どこかの族長か王だとわかっているのに、その場所がわからないはずがない。誤魔化されてます。
古事記的にはまあ察してくれ、な箇所でしょうか。
じゃあ察します。古事記だから罠かも知れないけど。
(つづく)

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