2023.
01.
15
コノハナサクヤヒメと言えば、地上に降りて何もしてない(エピソードが無い)ニニギ尊が、ナンパしてプロポーズを一気にやった絶世の美女です。
あまりの美しさに、和歌のひとつも贈るのを忘れたほどです。
コノハナサクヤヒメは、推定3人姉妹(イワナガ・チル・サクヤ)で阿多の地で育ち、その3姉妹の中では末っ子だったと思われます。
よく出雲は末子相続と言われますが、系図を見る限りでは高天原勢も結構末子相続です。
イワナガヒメに対しては姉と明言しており、コノハナチルヒメはヤジマジヌミ(スサノオの子)と既に結婚済で、何よりサクヤヒメの名が断トツに女王然としているからです。その名も
神阿多都比売(かむあたつひめ)――古事記
神吾田鹿葦津姫(かむあたかあしつひめ)――日本書紀
接頭語に『神』が付くのは神威の甚だしさを示し、ほかには神魂神(出雲の祖神?)、神屋楯比売(事代主の母)、神大市比売(オオトシ&ウカノミタマの母)、神活須毘神(オオトシ妃伊怒比売の親)…という大物揃いで、サクヤヒメもまた例外的な尊称を持つ偉大な女神だということです。
>本名の「阿多」は鹿児島県南さつま市から野間半島にわたる地域、また薩摩国(鹿児島県西部)にちなむ名で、「鹿葦」も薩摩の地名という。by wiki
イワレヒコ(神武)の(多分最初の)妻が吾平津媛(アヒラツヒメ)というのですが、日本書紀によれば日向国吾田(あた)邑の姫です。
古事記によれば>阿多之小椅君(あたのおばしのきみ)の妹です。
わざわざ兄の名を出す程度に、アヒラツヒメと阿多之小椅君はヒメヒコ制で共同統治をしていたふたりの王(もしくは跡取り兄妹)で、イワレヒコが入婿になったのでしょう。
ナガスネ兄妹の妹を妻にしたニギハヤヒと同じパターンです。
そして、日本書紀の方で海幸彦(ホスソリ)を山幸彦(ヒコホデミミ)が理不尽にやっつけられて敗者になるのですが、負けて惨めに屈服したホスソリについて、
『その火闌降命(ほすそりのみこと)は、吾田君小橋(あたのきみおばし)の遠祖である』(日本書紀現代語訳)
とか言ってるんですよねームカつくわ。
神武の嫁の祖先を随分悪く言ったものです。
それともそれは、
「ヒメヒコ制をやってる阿多の兄妹なんて元々格下なんだよ部下なんだよ~」=「アヒラツヒメは正妻にふさわしくない小物だから出雲の血筋でピチピチ美少女のヒメタタライスズヒメを皇后にしたんだよ~」
とか偉そうに語っているのでしょうか?
ニニギもイワレヒコも、阿多の姫に王にして貰ったんだろーがよ!!
そして、天孫ニニギからイワレヒコまで、妻の名を見る限り移動してないんですよね。
天火明は天磐船に乗って一気にヤマトに降ったのに?
これでは、本当にアマテラスが葦原中国を治めろと命じたのかどうかさえ怪しい。征服劇に後付けでお墨付きを与えただけだと思います。
※ 私は世界一長い歴史を持つ王家である皇室に日本国民として敬意を払っていますが、これはこれそれはそれです。
そして、ニニギと口を利かなくなっても共寝をせずレスになっても、コノハナサクヤヒメは神話の中で貶められることもなく、神階正一位を与えられるほど皇室にとって偉大な祖神の一柱とされているのです。
モデルとなった女性がいかに重要で偉大な女王であったのかがわかります。
……その、偉大な女王と、ほぼ同じ名前の別の女神がいたとしたら、何とします?
それも出雲に。
(つづく)
あまりの美しさに、和歌のひとつも贈るのを忘れたほどです。
コノハナサクヤヒメは、推定3人姉妹(イワナガ・チル・サクヤ)で阿多の地で育ち、その3姉妹の中では末っ子だったと思われます。
よく出雲は末子相続と言われますが、系図を見る限りでは高天原勢も結構末子相続です。
イワナガヒメに対しては姉と明言しており、コノハナチルヒメはヤジマジヌミ(スサノオの子)と既に結婚済で、何よりサクヤヒメの名が断トツに女王然としているからです。その名も
神阿多都比売(かむあたつひめ)――古事記
神吾田鹿葦津姫(かむあたかあしつひめ)――日本書紀
接頭語に『神』が付くのは神威の甚だしさを示し、ほかには神魂神(出雲の祖神?)、神屋楯比売(事代主の母)、神大市比売(オオトシ&ウカノミタマの母)、神活須毘神(オオトシ妃伊怒比売の親)…という大物揃いで、サクヤヒメもまた例外的な尊称を持つ偉大な女神だということです。
>本名の「阿多」は鹿児島県南さつま市から野間半島にわたる地域、また薩摩国(鹿児島県西部)にちなむ名で、「鹿葦」も薩摩の地名という。by wiki
イワレヒコ(神武)の(多分最初の)妻が吾平津媛(アヒラツヒメ)というのですが、日本書紀によれば日向国吾田(あた)邑の姫です。
古事記によれば>阿多之小椅君(あたのおばしのきみ)の妹です。
わざわざ兄の名を出す程度に、アヒラツヒメと阿多之小椅君はヒメヒコ制で共同統治をしていたふたりの王(もしくは跡取り兄妹)で、イワレヒコが入婿になったのでしょう。
ナガスネ兄妹の妹を妻にしたニギハヤヒと同じパターンです。
そして、日本書紀の方で海幸彦(ホスソリ)を山幸彦(ヒコホデミミ)が理不尽にやっつけられて敗者になるのですが、負けて惨めに屈服したホスソリについて、
『その火闌降命(ほすそりのみこと)は、吾田君小橋(あたのきみおばし)の遠祖である』(日本書紀現代語訳)
とか言ってるんですよねームカつくわ。
神武の嫁の祖先を随分悪く言ったものです。
それともそれは、
「ヒメヒコ制をやってる阿多の兄妹なんて元々格下なんだよ部下なんだよ~」=「アヒラツヒメは正妻にふさわしくない小物だから出雲の血筋でピチピチ美少女のヒメタタライスズヒメを皇后にしたんだよ~」
とか偉そうに語っているのでしょうか?
ニニギもイワレヒコも、阿多の姫に王にして貰ったんだろーがよ!!
そして、天孫ニニギからイワレヒコまで、妻の名を見る限り移動してないんですよね。
天火明は天磐船に乗って一気にヤマトに降ったのに?
これでは、本当にアマテラスが葦原中国を治めろと命じたのかどうかさえ怪しい。征服劇に後付けでお墨付きを与えただけだと思います。
※ 私は世界一長い歴史を持つ王家である皇室に日本国民として敬意を払っていますが、これはこれそれはそれです。
そして、ニニギと口を利かなくなっても共寝をせずレスになっても、コノハナサクヤヒメは神話の中で貶められることもなく、神階正一位を与えられるほど皇室にとって偉大な祖神の一柱とされているのです。
モデルとなった女性がいかに重要で偉大な女王であったのかがわかります。
……その、偉大な女王と、ほぼ同じ名前の別の女神がいたとしたら、何とします?
それも出雲に。
(つづく)

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