2022.
12.
04
イチキシマヒメというと、真っ先に宗像三女神が思い付きますが、姉妹の「タキリヒメ」「タギツヒメ」と、水が滾る様を表す判りやすい水神であるのに、イチキシマヒメだけが「斎/いつき」の巫女姫の名前なのが異質です。
別名の「サヨリヒメ」もサ=神、ヨリ=寄りつく、という意味でやはり巫女なのです。姉妹ふたりがどちらも水神であり、実際に宗像で海神として祀られているという状況から、やっと水神だと判る。
そこで、
水神・イチキシマヒメ=天照らす月の姫の向津媛(ニギハヤヒの嫡妻/むかいめ)=水神・瀬織津姫、という図式が成立するのです。
何故なら、イチキシマヒメは、そういう役職名か、巫女を表す普通名詞であったと思われるからです。
つまり、イチキシマヒメは代々受け継がれた称号か、あちこちに存在していたかです。
サヨリヒメもそうですし、タマヨリヒメも神懸かりの姫、という意味がわかるだけで、個人名ではなさそうです。
昔の日本人には、かなり長い間本名は伏せて通称を名乗るという風習がありました。
本名を知られてしまうと、呪いをかけられてしまうからです。後々になると、本名を呼んでいいのは身内くらいで、対外的には通称でした。
だから、スクナヒコナは大国主に名を問われても黙っていたのだし、清少納言の本名はわからないし、伊達政宗も通名は藤次郎です。
スセリヒメ、はどういう意味だったのでしょう?
私は色々考えてみたのですが、案外シンプルに「須佐理姫/すさりひめ」の転訛なのではと思います。
出雲弁はズーズー弁(東北弁)に似ている、とよく聞きますが、東北って広いぞどこの方言だよどこの方言でもネイティブ同士ならお互いガチで外国語だぞ?
取り敢えず、私の住んでいる辺りでは母音が曖昧ですね。
「い」と「う」が混ざってるような言葉もありますし、的な言葉もありますし、「い」→「え」の転訛もあります。
出雲弁はどういう傾向かわかりませんが、やはり母音が曖昧と聞いたことはありますので、「すさりひめ」→「すせりひめ」もあり得るのかなぁと。
「すさりひめ」なら「すさ」は須佐之男のすさで「り」は語調を整える接尾語。
尤も、「須佐/すさ」にも意味があって、「朱砂/すさ」で製鉄に関係しているかもしれないのですが。
※ 川が赤く見えるほどの砂が流れるそうです
それでは、これにて、瀬織津姫と須勢理姫という、ふたりの妻神様のお話を終えたいと思います。
別名の「サヨリヒメ」もサ=神、ヨリ=寄りつく、という意味でやはり巫女なのです。姉妹ふたりがどちらも水神であり、実際に宗像で海神として祀られているという状況から、やっと水神だと判る。
そこで、
水神・イチキシマヒメ=天照らす月の姫の向津媛(ニギハヤヒの嫡妻/むかいめ)=水神・瀬織津姫、という図式が成立するのです。
何故なら、イチキシマヒメは、そういう役職名か、巫女を表す普通名詞であったと思われるからです。
つまり、イチキシマヒメは代々受け継がれた称号か、あちこちに存在していたかです。
サヨリヒメもそうですし、タマヨリヒメも神懸かりの姫、という意味がわかるだけで、個人名ではなさそうです。
昔の日本人には、かなり長い間本名は伏せて通称を名乗るという風習がありました。
本名を知られてしまうと、呪いをかけられてしまうからです。後々になると、本名を呼んでいいのは身内くらいで、対外的には通称でした。
だから、スクナヒコナは大国主に名を問われても黙っていたのだし、清少納言の本名はわからないし、伊達政宗も通名は藤次郎です。
スセリヒメ、はどういう意味だったのでしょう?
私は色々考えてみたのですが、案外シンプルに「須佐理姫/すさりひめ」の転訛なのではと思います。
出雲弁はズーズー弁(東北弁)に似ている、とよく聞きますが、東北って広いぞどこの方言だよどこの方言でもネイティブ同士ならお互いガチで外国語だぞ?
取り敢えず、私の住んでいる辺りでは母音が曖昧ですね。
「い」と「う」が混ざってるような言葉もありますし、的な言葉もありますし、「い」→「え」の転訛もあります。
出雲弁はどういう傾向かわかりませんが、やはり母音が曖昧と聞いたことはありますので、「すさりひめ」→「すせりひめ」もあり得るのかなぁと。
「すさりひめ」なら「すさ」は須佐之男のすさで「り」は語調を整える接尾語。
尤も、「須佐/すさ」にも意味があって、「朱砂/すさ」で製鉄に関係しているかもしれないのですが。
※ 川が赤く見えるほどの砂が流れるそうです
それでは、これにて、瀬織津姫と須勢理姫という、ふたりの妻神様のお話を終えたいと思います。

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