fc2ブログ
2022. 12. 02  
得体の知れない女神アマテラスの荒魂だなんて、瀬織津姫が不当に貶められているようで、これだけは伊勢神宮の嘘吐きと悪態をつきたい気分。
それに、撞賢木厳之御魂天疎向津媛という名前の意味も考察や意見が割れていて、「長々しい名前だけど結局日向の巫女っていう意味しか無いでしょ」とか、中には「小賢しく天(朝廷)に逆らう田舎女」とか容赦無い解釈もあったりして、あまり評判がよろしくない。
※ イツ=神聖・清浄と解釈する好意的な意見もあります

でも、ひょっとして、いやひょっとしなくても、スセリヒメ様も「向津媛」のお立場である数多居る女性のひとりじゃない?と気付きました。

嫡妻と書いて「むかいめ/むかひめ」って言うんです。
スサノオ様も、スセリヒメ様をかっ攫って去って行くオオナムチに向って、

「其我之女須世理毘賣、爲嫡妻而」(その我が娘スセリヒメを正妻(むかいめ)にしろ!)と言っているのです。

御向社というのは、大国主の正妻(むかいめ)でいらっしゃる御方のやしろ、という意味だったのです。
だから、向津媛の「むか」は「むかいめ」のむかで、どなたかの本妻である姫、という意味です。多分。

ここで、撞賢木厳之御魂天疎向津媛という、むやみに長い名前を分割してみましょう。

撞:訓読みは「つく」。意味はつく。突きあたる。つき鳴らす。「月/つき・つく」に掛けていると思われる

賢木:榊(さかき)など神が宿る木

厳:「斎/いつき」の「いつ」。神聖な。

之御魂:~の御魂(みたま)。魂は「神魂神/かみむすひ」のように、魂/むすひ=産霊で、「むす」は生じる、「ひ」は霊威」という意味で神様の名前に付くことばですが、ここではざっくりと「神の力」くらいでいいでしょう

天疎:あまざかる/天離るという枕詞。→「鄙」/ひな、にかかるだけなので、これ自体に意味は無い。鄙→ひな→日向(ひむか→「向/むかい」→「むかいめ」の「むかい」

向津媛:正妻である姫


……という訳で、全部繋げると

「神木に宿り神聖な力を持つ正妻」であり、「月の姫」という意味になります。

(つづく)
関連記事
NEXT Entry
撞賢木厳之御魂天疎向津媛命と須世理比売。その3
NEW Topics
書評:古事記外伝 正史から消された神話群 藤巻一保
案外、大国主はモテない。その5
案外、大国主はモテない。その4
案外、大国主はモテない。その3
案外、大国主はモテない。その2
Comment
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

chikaru414

Author:chikaru414
日本の神話と神社仏閣、それにまつわる歴史が好きです。
スサノオ様、スセリヒメ様はじめ出雲の神様と水神様推し。
ホlツlマlツタヱ・富l家l伝承・徐l福l伝l承・日lユl同l祖l論・アlイlヌl先l住l民族説お断り。

定義山西方寺を崇敬。秋篠宮家と伊達政宗公を尊敬する伊達家家臣末裔です。
透明水彩絵師。

↓応援ぽちっとよろしくお願いします!

FC2 ブログランキング

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

人気ブログランキング

リンク
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR