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2020. 07. 07  
日本人にとって、あまりにも米というものが重要で、稲作に適した土地と国が大きく栄えたと思いがちであり、実際に農耕で得られる食物は、縄文的な狩猟採集(漁労を含む)よりも多くの人々を養うことが出来、よって人口も増えるのですが、国が栄える条件が農耕だけかと言ったら、必ずしもそうではないというのは、世界中の歴史が証明していると思います。

だいたい、ろくに資源を持たない技術大国日本からして、そうではないですか。

※ 今は中国に抜かれた感はありますが。でも《日本産》の技術の正確・緻密さは世界の信頼を集めています
※ そして日本列島の7割が山地で実は稲作に適さない

繁栄する国には、様々な理由があります。
1.技術力が先んじている
2.交通の要衝を押さえている
3.商売・貿易に強い


等々です。
他にもあると思いますが、古代出雲は上記の3つは満たしていたと思います。

例えば、外国の海の民の島では、船大工の地位がとても高く、貴族ですらあったそうです。(場所が曖昧ですみません。ソースは『アユノカゼの文化史』)
海を渡る貿易で栄えた出雲もまた、そのように技術者が厚遇されていたのではないでしょうか。
そのような土地柄が多くの技術者を呼び、育て、のちに盛んになるタタラ製鉄を支えたのだと思います。

余談ですが、白村江の戦いは、戦う前から勝敗が決まっていた。という話があります。
私は、双方の軍の大きさは不勉強故存じませんが(当たり前ですが戦争は単純に数が多い方が勝ちやすい)、少なくとも決まっていたとまで言い切られる理由は日本の側に存在していて、それは

日本の船がショボかったから。

船の大きさ、構造、いずれもヤマト朝廷側は大幅に劣っていた。
海の民ならば風を読んで出航の日を決めるのに、陸の民は占いで決めるという残念さが凄いです。

大和朝廷が動かせる海軍が、海の民の力と技を継承していなかったのでしょう。
古代は海を渡る船大工の技術、そして航海術がものを言ったのに、それで劣るのでは海戦に勝てるわけがありません。
対照的に、

古代出雲は、海に強かった。だから人と冨が集まり栄えた。
そのような海の民にとって、

『ナダ』=浜、浜近く、港、がどれ程重要で大切で、神聖な場所であったことでしょうか。

私は以前、オオトシとウカノミタマの母神にして『市場』を神聖視したと思われる神・神大比売(カムオオイチヒメ)という女神の存在が、非常に不思議な感じがしたのですが、市場に様々な土地の様々な特産品が集まりそして国が栄えていたことが想像出来る今なら、納得出来ます。

この女神がどれ程重要だったのかは、ただの『大市比売』ではなく、『神/カム』という神威が激しい事を示す接頭語を冠して

大市比売(カムオオイチヒメ)

と記されていることからも明らかです。
ならば、海の民にとって、浜や港は更に重要なふるさとであったはずです。

ただの『稲田姫/イナダヒメ』だけではなく、霊妙な、という意味を持つ『クシ』を冠して、名田比売(クシナダヒメ/記)、稲田姫(クシイナダヒメ/紀)。

私は、通説がそうであるように、『クシ-イナダ』が縮まって『クシナダ』になったのだと思っていましたが、きっと逆です。

kushi-nada(霊妙なナダ=霊妙な港・浜) kushi-i-nada(霊妙な稲田)

と、海の民が陸上戦で敗れ、農耕の民の国の傘下に入ってから、『ナダ』が稲田の響きに似ていたことから、稲田の『イ』が付けられて、クシナダヒメという浜の海の女神の解釈は、稲田の女神という農耕神に変化していったのだと、私は思います。

(つづく)


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chikaru414

Author:chikaru414
日本の神話と神社仏閣、それにまつわる歴史が好きです。
スサノオ様、スセリヒメ様はじめ出雲の神様と水神様推し。
定義山西方寺を崇敬。伊達政宗公を尊敬する伊達家家臣末裔です。透明水彩絵師。

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