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2020. 07. 05  
今回の記事は、カテゴリ分けにとても悩みました。
無難に?神話のレベルで【神様】カテゴリにするか。古代史の記事として【歴史】にするか。

迷った末に、【歴史】カテゴリにして、遙かな昔、出雲には、《クシナダヒメ》のモデルになった女王がいた、というお話をすることにしました。

だって、私は《古代神話は日本の古代史を反映している派》ですから。

スサノオ様も、スセリヒメ様も、実在したんですから!!

ただし、複数人
と、私は思っています。
例えば、ヤマタノオロチで考えると解りやすいです。条件を並べますが、

毎年越からやって来る
八頭八尾のばかでっかい蛇っぽいやつで
目はホオズキのように赤く腹もただれて赤く
毎年ひとりずつ娘を食らう


これ、全部クリアしなきゃならないと思うから、諸説分かれる上に纏まった結論にならないんだと思います。

私は、全部を一度に全部をクリアする必要は無い、と思っています。

つまり、答えは複数ある。

私の考えるヤマトノオロチの原形は、斐伊川です。
高台から見る斐伊川は、何股にも分かれて流れ、ヤマトノオロチとは斐伊川の化身以外の何ものでもない、と現地に暮らす人に言われると重みが違います。

昔から斐伊川は、生活用水、灌漑用水、水運等々、様々に活用されていて、出雲風土記には斐伊川の恵みばかり書かれていますが、実はかなりの暴れ川でした。
何度濁流に飲まれても、何度生活の場が流されても、出雲の人々は斐伊川と共に生き続けた。

大いなる恵みの川の神の裏の顔、それがヤマタノオロチの原形なのだと思います。

そう。原形です。

ヤマタノオロチの正体については、越の豪族が攻めてきた説、毎年実りの季節に越から盗賊団がやって来る説、タタラ製鉄によって川に流出する赤い土砂説。
色々あるんですが、

どれも正解かもしれないですよ?

斐伊川が暴れ川なのは、土砂災害で杉林が崩れたと老年層が語る程度に今でもある程度その性質はあるようですが、平野が広く稲作が進んでいた越の方が灌漑技術が進んでいて仕事に来ていた説が在る一方で、出雲が越の人々の植民地だった説もありますので、何らかのいざこざはあったことでしょう。

でも、越から何かが攻めてきた、というのと、タタラ製鉄による赤い川、というのは、それぞれ時間軸が違うと思うのです。
古墳時代には確実にタタラ製鉄が始まっていて、タタラ製鉄が出雲で盛んになる時には、力関係は 出雲>越だったでしょうから。

多分、神話は長く語り継がれるうちに、どんどん新しい要素が上書きされるのだと思います。
出雲国風土記にて、オオクニヌシが越の八口を平定してきた、とサラッと書かれている程度に、越には平定する理由のある何かがあった(少なくともオオクニヌシにとっては)のでしょうし。

※ タタラ製鉄は、遺跡として残りにくい(そこで製鉄が終わるとぶっ壊して移動するらしい)のですが、弥生時代の『鉄製品の加工場』跡は見つかっているので、実はタタラ製鉄ももっと昔まで遡れるかもしれません。発掘が待たれます。

時代と共に、新しい要素が加わって、複雑な神話になってゆく。
ヤマタノオロチ神話にもそういう性質があって、スサノオと呼ばれる英雄も海神・太陽神・農耕神・食の神、と多彩な顔を持ち、スセリヒメも何代にも渡って十種神宝の比礼を受け継いだ巫女姫の像が重なっている。
そのように、私は思っています。

だから。

スサノオ様のお妃、クシナダヒメ様もそうであろうと思い立ったのです。

私は何となく、言い易いので櫛名田比売(クシナダヒメ)様と呼ばせて頂いておりますが、奇稲田姫(クシナダヒメ)という表記と発音もあるのは、当然に知っています。

古代は二重に続く母音は省略される傾向にあり、だから

kushiinada → kushnada

と変化したものであり、名田/ナダ は、稲田/イナダ の略であろうという説に、納得していました。
クシナダヒメ様が、稲田の姫神であり、アシナヅチ・テナヅチ夫妻神は昔の有力豪族を象徴しており、8人姉妹の末娘のクシナダヒメが、末子相続の後継者であり、斐伊川の神に仕え稲田の豊饒を祈る巫女でもあり、その神格化と重なったのだろうと、疑った事もありませんでした。

……《アユノカゼの文化史》という本で、漁労を営む出雲の老年層の人々が、港・浜・浜に近い海を『ナダ』と呼ぶ事を知るまでは。

(つづく)


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プロフィール

chikaru414

Author:chikaru414
日本の神話と神社仏閣、それにまつわる歴史が好きです。
スサノオ様、スセリヒメ様はじめ出雲の神様と水神様推し。
定義山西方寺を崇敬。伊達政宗公を尊敬する伊達家家臣末裔です。透明水彩絵師。

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