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2020. 05. 26  
スサノオ様の愛娘・スセリヒメ様という聡明で一途で美しい女神様に心惹かれた人は、一度はその名前の意味を調べてみようと思ったのではないでしょうか。

例えば『コノハナサクヤヒメ』のように解りやすい名前ではありませんので。
謎の女神として有名すぎる瀬織津姫でさえ、その正体はともかく、名前は早瀬の水神というわかりやすさです。

スセリヒメ。美しい響きであるというのに、意味不明。

そして、調べてみても、ガッカリするような解釈しか出てきません。
先日の記事から再び持ってきますが、

>「須勢理」は「進む」の「すす」、「荒ぶ/すさぶ」の「すさ」(スサノオのスサのこと)と同根で勢いのままに事を行うこと、「命/ミコト」が着かないことを巫女性の表れと解し、「勢いに乗って性行が進み高ぶる巫女」と考えられる。(ソース:新潮日本古典集成 古事記)

だなんて、美しさの欠片もなければ品の欠片も無い許し難い!

私は既に、
『スサノオがイザナギの日真名子かもしれない話』全31話、及び『アマテラス月神説とスサノオ分身説。』という全17話に及ぶ連載記事にて、スサノオ様は日神である根拠を述べてきました。

泣き喚けば旱を起こす太陽神ですから、確かに荒ぶる面はありますが、水神、火神、海神、山神、雷神、風神、みんなそうであって、スサノオ様だけを殊更に荒ぶ男呼わばりは間違っています。

私の読みでは、スサは普通に地名の『須佐』です。
記紀・風土記で、共通して『スサノオ様が自分の名を草木ではなく土地の名にした』、と重要事項にしては珍しく伝承が一致しているのですから、そうなのでしょう。

ただ、歴史的には、《スサという地名》が先にあって、海の民であったヒルコが斐伊川から出雲に入り、まだ幼いクシナダヒメ(日本書紀:少女。古事記:童女)を娶ることになり、本拠地にしたのが須佐であったので須佐之男と呼ばれるようになった、という順序だと思います。

その地名、《スサ》が何を意味するのかは、私にもわかりません。
でも、由来がわからないというのは、《須佐之男のスサ》は太古の地名だということです。イザナギ・イザナミ夫妻神を信仰した海人の淡路島にも、今でも判読不明な地名が幾つも残っています。

淡路島の海人達は、外部に対しては活発に出てゆき、交流・交易をしましたが、島という内部には関してはよそ者を入れることを歓迎はせず、閉鎖的ででした。日本中のあちこちに、客人(マレビト)信仰があるのとは対照的です。

古代の日本では、海に流れ着くものを神聖視する信仰があり、海の向こうからやって来る人々を客人(マレビト)として歓迎していました。
だから出雲の人々は、浜に打ち上げられるウミヘビを神としたのですし、《海に流されたヒルコ》もまた、神として迎えられ、権力者がいくら貶めようとも全く無駄な感じに手厚く祀られ、後には恵比寿さまと習合して(海で亡くなったコトシロヌシもまた恵比寿さまと習合している)、一層ありがたい神として崇敬されたのです。

淡路ほどではなくても、日本中に、それってどういう意味?という地名はありますし、今は《須佐》の意味については論じません。
ただ、地名として考察を進めたいと思います。

wikiの引用にあったように、『スサノオ』と『スセリ』は、何となく似ています。
始まりの子音が、2連続で”S”だからです。

その響きの鋭さから、『すさぶ』、『すすむ』、など同根の言葉が発生したというのが、スサノオ荒ぶ男論・スセリヒメ思うがままに進む女論の論拠なのでしょう。

だが芸が無い。

神話なのですから、大抵の神は実在の人物を反映していても、神としての属性を持っています。
例えば、ヌナカワヒメは、玉の河の姫です。(古語で、ヌ=玉。ヒスイの産地だった)

まあ、ヤガミヒメのように、八上は現在の地名の八頭郡(やずぐん)の事で、八上の姫、だけなのですけれども。
それでも、オオクニヌシとの御子神には『御井神』の名があり、水の神、井戸の神、エピソードとしては安産の神という属性があります。

スサノオ様の、始まりの日神という属性は、隠されました。
ならば、出雲の末子、つまり正当な後継者・相続者として、オオナムチに王位を与える事が出来たスセリヒメが、

「勢いに乗って性行が進み高ぶる巫女」などという、麻薬を吸って妄言を吐く狂女のような無礼な名であるはずが無い。

《スセリヒメ》の名の本当の意味、或いは本当の名前とその名が示す属性は、きっと隠されている。

(つづく)
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プロフィール

chikaru414

Author:chikaru414
日本の神話と神社仏閣、それにまつわる歴史が好きです。
スサノオ様、スセリヒメ様はじめ出雲の神様と水神様推し。
定義山西方寺を崇敬。伊達政宗公を尊敬する伊達家家臣末裔です。透明水彩絵師。

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