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2020. 03. 20  
※ 昨日はスサノオと牛頭天王の記事を書きましたので、前回の『その11』をお読みになりたい方は、20/03/18の記事をご覧下さいね。

ヒルコという太陽神が乗る船の名は、日本書紀では『天磐櫲樟船』(あめのいわくすふね)。
異伝によると、鳥磐櫲樟船(とりのいわくすふね)。

イヤになるほど難しい漢字でサッパリ意味がわかりませんので、『日本神話・神社まとめ』というサイト様から引用させて頂きます。

>天磐櫲樟船の「磐」は岩。岩は固いという意味ではなく、「岩船」というように「岩」に神が乗ってやってくるという感覚がある。「櫲樟」は楠。楠は大きく育つので、船の材料としてよく利用されていました。

例えば、ニギハヤヒも『天磐船/アメノイワフネ』に乗って天降りました。
ニギハヤヒもまた、『火明/ほあかり』という『火の明かり』、『古代人の太陽』ですから、その伝承も太陽神の乗り物パターンと日本古来の磐座信仰が結びついたものなのでしょう。
また、異伝の鳥磐櫲樟船の『鳥』も、空をゆく船の名に相応しい

そして、古事記でヒルコが乗る船は、葦船(葦…アシって…というより、アシの小舟だよね…)で、何とも頼りなく可哀想な感じが満々で、こればかりは日本書紀の方がかなりマシだと思います。

そして、日本書紀のヒルコは、3年足が立たなかったという具体的な描写がありますが、古事記は

『水蛭子、此子者入葦船而流去。次生淡嶋、是亦不入子之例』と、ヒルコの後に産まれたアワシマも子の数には入れないと言い、理由は
『今吾所生之子、不良』と、良カラズというのみで、どのような不具の子であったか書き記していません。

骨のないグニャグニャした子、という解釈は、水蛭子、蛭児という字面から来ているのでしょう。
そして捨てられたと言えば、日本書紀には出て来なかったけれども、古事記では2番目に生まれた『淡嶋/アワシマ』が、気になります。

一見すると、日本書紀のように、神話の類型、はじめの不具の子・島バージョン淡路洲(吾恥=アハジ/あわじのしま)かと思ってしまいますが、違う模様です。

古事記では、ヒルコとアワシマを捨てた後、ギ・ミ神は、柱を回る結婚の儀式をやり直して(つまり女から声をかけたのがよろしくなかったので、ギ神から声をかけた)、再び国産みをするのだけれども、改めて一番目に生まれてきたのは、

淡道之穂之狭別島(アワジノホノサワケノシマ/淡路島)。

消された『アワシマ』という神とは、全く別に記述されているのです。
つまり、何らかの理由で(という程度に、私はまだわからないままなのですが)

『古事記は淡路島を尊重している』人物が編集したものであり、『日本書紀は淡路島を敵視している』時の権力者の書物なのです。

そして、女神・アマテラスの親神に設定した割には、朝廷にとって淡路の神・イザナギ・イザナミ夫妻神は祟り神です。
この2柱が伊勢神宮に祀られたのは、奈良時代の772年8月、伊勢に凄まじい台風が来て、昭和の伊勢湾台風並の被害をもたらしたのが、

一応アマテラスの両親・イザナギ・イザナミ夫妻神と、一応弟のツクヨミの祟り。

ということになったので、伊勢の別宮・月読宮に両親と弟を祀ることになった次第です。

まあ、それ言ったら、アマテラス(八咫鏡)も崇神天皇の御代に祟りまくって大量の死者を出したので、宮中から追い出して放浪の旅をすることになり、最終的に伊勢神宮が建立されたんですけど。

意外なのは、記紀ではすぐに姿を消すツクヨミが、立派に(?)祟ってきたというアグレッシブな感じですね。

疑問なのは、スサノオという一応弟神は、伊勢に祀らなくても祟らないんですか?

(つづく)
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メッセージありがとうございます!
コメントを頂けるのは非常に稀なので、たまに頂けるとひゃっほぅとなりますありがとうございます。
自分としては、まだまだ勉強不足なので、長くブログを続けるうちに、過去の自説がひっくり返る可能性もあると思いながら書いているのですが、その時点での自分の努力を総動員して書いているので、興味深いと思って下さるのはとても嬉しいです!
No title
詳しく書かれていて勉強になりました。他のブログも読ませていただきます。
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プロフィール

chikaru414

Author:chikaru414
日本の神話と神社仏閣、それにまつわる歴史が好きです。
スサノオ様、スセリヒメ様はじめ出雲の神様と水神様推し。
定義山西方寺を崇敬。伊達政宗公を尊敬する伊達家家臣末裔です。透明水彩絵師。

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