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2022. 12. 07  
古事記では三柱のみの《大御神》。

イザナギ神は、神々の祖。
アマテラス実はオオヒルメは皇祖神。
アジスキタカヒコネは……

神武に出雲とヤマトを奪われて以来、初期の天皇は出雲(賀茂)系の皇后を迎えているのです。
4代天皇までの皇后は素人でも系図を辿れるし、どこに書いてあったか8代までは皇后は賀茂系だったとか。
つまり、アジスキタカヒコネは皇后という建前の巫女王たちの祖と言いたいのでしょう。

出雲の宗家は滅んだのに、アジスキタカヒコネは天孫族に寝返ったのでしょうね。
※ 天孫族に寝返らずに戦ったのは長髄彦だけ

生き残ったアジスキタカヒコネは同族の姫を政治王(天皇)の妃(巫女王)として送り込んで、外戚として権力を握った。
実は八咫烏で裏天皇とか言われるだけのことはあるわ。知らんけど。

そう言えば、『宗家は滅んだけど傍系が生き残った』ってところ、偶然にも蘇我氏と同じじゃんね。
入鹿が首飛ばされて、馬子が自宅に火を放ち自害、それを以て蘇我氏は滅びました、とか昭和の小学校か中学校で習った気がするけど、全然滅んでないから。

宗家が滅んでも、入鹿の従兄弟の蘇我倉山田石川麻呂とか普通に生きててこちらが宗家になってるし、古事記・日本書紀で歴史を改竄した戦犯みたいに言われている持統天皇の母親って、その石川麻呂の娘で、つまり持統天皇は蘇我氏系なんだよね。

蘇我の血を持つ持統天皇は、記紀を通じて、一体何がしたかったんだろう?

――――話をニニギ・サクヤ・その子ども達、に戻しましょう。

【異文二・原文】
時皇孫因立宮殿、是焉遊息。後遊幸海濱、見一美人。皇孫問曰「汝是誰之子耶。」對曰「妾是大山祇神之子、名神吾田鹿葦津姬、亦名木花開耶姬。」因白「亦吾姉磐長姬在。」皇孫曰「吾欲以汝爲妻、如之何。」對曰「妾父大山祇神在。請、以垂問。」

姉のイワナガヒメがここで登場。イワナガヒメって異文の存在なんですね。そして、

訳:(皇孫は)後に浜辺にお出でになって、一人の美人をご覧になった。そして皇孫が尋ねた。「お前は誰の娘か」美人は答えた。
「私は大山祇神(おおやまつみのかみ)の娘で、名は神吾田鹿葦津姫(かむあたかしつひめ)、またの名を木花開耶姫このはなさくやひめといいます」(中略。ニニギ尊のプロポーズに対してサクヤ様は)

「私のに大山祇神おおやまつみのかみがいます。どうかにお尋ね下さい」

・・・・・・・・・・・・・・。
やっぱオオヤマツミ男じゃねーかァァァ!!

あーもーどっちだよ!どっちもよ~とかカムアウトする時代の書物じゃないでしょコレ。
女神なのか男神なのかって、かなり重要なことだと思うんですけど、伝承が分かれちゃってたんでしょうか?

性別のない神(タカミムスビ/男っぽいけど。カミムスビ/母性の塊っぽいけど)が単独で子供を生んでいるので、大山祇もそういう存在なのかも知れませんが。
でも、日本書紀が本文で女神扱いしているのは興味深いです。

(つづく)
2022. 12. 06  
実は、アマテラス系も古事記によれば天孫ニニギからは末子相続(ひとりっ子含む)で、初期の天皇までその傾向が続くので、出雲に限らず天津神勢も末子相続の文化が根強かったようです。
それなのに、日本書紀の本文が神武帝の祖父に当たるヒコホホデミ尊(実は神武帝の幼名?と同じ名だったりする)が末子ではなかった、しかも三兄弟の真ん中というのが意外です。

日本神話って、「真ん中は空気」って言われているくらいですから。
例えば、もう神話の始まりからして、三貴子ことオオヒルメ・ツクヨミ・スサノオ姉弟の真ん中、ツクヨミは名前からして月神っぽいのに行方不明。

イワナガヒメ・コノハナチルヒメ・コノハナサクヤヒメ、の3姉妹の中でチルヒメだけはニニギの妻になる事もなく、系図でヤシマジヌミ(めっちゃ出雲。スサノオ×クシナダの息子)の妻になったことがわかるのみで物語には全く姿を見せません。
※ だからチルヒメが真ん中かどうかもよくわからないのですが、姉イワナガヒメの別名だ、いや妹サクヤヒメの別名だ、と意見が分かれる程度に、同神じゃなかったとしたら姉イワナガと妹サクヤの間で真ん中であろうという状況証拠。又は「空気だから真ん中であろう」という逆読み推定。

そして、古事記のホデリ・ホスセリ・ホオリに挟まれた真ん中っ子ホスセリは、エピソードは「産まれました」とただそれだけで、○○の祖(皇統ではないよと言いたい時にわざわざ書く)という言い訳すら存在しない、ガン無視空気。

何年前の話だったかなー。
私の最推し女神・謎多き須勢理比売のお美しい御名の意味を知りたくて辿り付いた火須勢理が空気だったと知った時の絶望よ。

Wikipediaのスセリヒメがかなり酷いので、絶対に覆したかったんです。

おい、wikiの解説書いたアホ、「命」なら付いとる箇所もあるわ!
そんでスセリヒメ様を性欲の権化みたいに書くとは何という無礼。控え目に言ってスサノオ様の蛇の部屋にぶち込まれろ。

因みに、古事記の尊称はかなりいい加減なんです。wikiに書きたいならそのくらい知っておけ。
イザナギ様なんて呼び捨てから大御神まで幅があるんだぞ。

ただし、古事記はいい加減でふざけているようで、時々とんでもないネタを投下していくので侮れない。
古事記で《大御神》と呼ばれたのは、

女神アマテラス・イザナギ・アジスキタカヒコネの三柱だけです。流石にいい加減な古事記でも「大御神」という最高位の尊称だけは安売り出来なかったのでしょう。

アジキスキタカヒコネは大国主とタキリヒメの間の子供で、名前を見ると農耕神のようでもあり(鋤/スキの神格化)、登場シーンの描写からすると激しい気性の雷神属性(あ~スサノオ様の孫だな~という感じ)なのですが、この神が
迦毛大御神(かものおおみかみ)だとか、いきなり爆弾を投下するのが古事記なんですよね。

(つづく)
2022. 12. 05  
日本書紀に登場する謎の神・火酢芹(ホスセリ)。古事記では火須勢理と表記されます。

――――と、安易に同一神とは言えない、という見解があるようです。
というのは、古事記ではスッキリと第一子火照命(ホデリ=海幸彦)、第二子が火須勢理命(ホスセリ)、第三子が火遠理命(ホオリ=山幸彦)と言い切っているのに対し、日本書紀の方は本文の他に「一書曰く」から始まる異文が何パターンもあって、火酢芹(ホスセリ日本書紀表記)が産まれた順番が違うからです。

日本書紀本文。ニニギ尊が吾田津姫と、接頭語に「神」が付く、神威の甚だしい美人と出会います。
※ カムアタツヒメは木花咲耶姫、鹿葦津姫(カシツヒメ)とも言います。

その時の日本書紀の記述というのが、
『皇孫問此美人曰「汝誰之女子耶。」對曰「妾是、天神娶大山祇神、所生兒也。』

訳:皇孫(ニニギ)はこの美人に問われていった。「あなたは誰の娘であろうか?」対して(美人が)言うには「私は、天津神が大山祇神(オオヤマツミ)を娶って産まれた子です。」

……はい?
オオヤマツミって女神だったのか!?

ニニギとサクヤヒメのバナナ神話は、ヤマタノオロチ神話と同じく、その部分だけ切り取られて子供でも読める物語として世に出回っていたようで、私はこのエピソードは結構昔から知っていた気がする、のですが。
3年もこのブログやっててなんで今まで気が付かなかったのであろうか……(衝撃のあまりしばし茫然)

だってー、オオヤマツミはスサノオである説なんていうのも読んだことがあるし、オオヤマツミってあちこちの勢力に子をばら撒いているし、てっきり子沢山すぎる男神だと思ってたんだよーーー!!

でも問題はそこじゃなくて、日本書紀に何故かいくつも異文がある、不義の子疑惑にブチ切れサクヤ様の火中出産の末に生まれてきた子供達の順番や名前が違う、ということです。
日本書紀は本文の他に「一書曰」から始まる異文があって、異文であるからして、本文という本命のほかに「こういう違う言い伝えがあるんですが」という漢字で書き残されています。
※ そんなこんなで、三貴子(アマテラス・ツクヨミ・スサノオ)の誕生パターンは実は色々あるんです。一般に知られているのは古事記のストーリーです。

そこで、サクヤ様が出産した皇孫の御子神は
【本文】
燃え上がった煙から生まれ出た子を、火闌降命(ほのすそりのみこと/長男)と名づけた。これが隼人(はやと)らの始祖である。
次に熱を避けてお出でになるときに生まれ出た子を、彦火火出見(ひこほほでみのみこと/次男)と名づけた。
次に生まれ出た子を、火明命(ほのあかりのみこと/末子)と名づけた。これが尾張連おわりむらじの始祖である

日本書紀は尊称で身分がわかります。尊>命 なので、三柱のうち勝ち組(皇統)は次男・ヒコホホデミと決まっていて、「~命」は皇孫の子であろうと雑魚決定です。
ですから次のステージの海幸彦VS山幸彦なんて、山幸彦(ヒコホホデミ)が勝つと決まっている出来レースな訳です。

そして、これも今まで私が気付かなかったのが迂闊です。
日本書紀本文で、ヒコホホデミ尊(山幸彦)が三兄弟の真ん中だとは!!

この辺りで私は、あ、この本文怪しいな~、と思う訳です。

(つづく)
2022. 12. 04  
イチキシマヒメというと、真っ先に宗像三女神が思い付きますが、姉妹の「タキリヒメ」「タギツヒメ」と、水が滾る様を表す判りやすい水神であるのに、イチキシマヒメだけが「斎/いつき」の巫女姫の名前なのが異質です。
別名の「サヨリヒメ」もサ=神、ヨリ=寄りつく、という意味でやはり巫女なのです。姉妹ふたりがどちらも水神であり、実際に宗像で海神として祀られているという状況から、やっと水神だと判る。
そこで、

水神・イチキシマヒメ=天照らす月の姫の向津媛(ニギハヤヒの嫡妻/むかいめ)=水神・瀬織津姫、という図式が成立するのです。

何故なら、イチキシマヒメは、そういう役職名か、巫女を表す普通名詞であったと思われるからです。
つまり、イチキシマヒメは代々受け継がれた称号か、あちこちに存在していたかです。
サヨリヒメもそうですし、タマヨリヒメも神懸かりの姫、という意味がわかるだけで、個人名ではなさそうです。

昔の日本人には、かなり長い間本名は伏せて通称を名乗るという風習がありました。
本名を知られてしまうと、呪いをかけられてしまうからです。後々になると、本名を呼んでいいのは身内くらいで、対外的には通称でした。
だから、スクナヒコナは大国主に名を問われても黙っていたのだし、清少納言の本名はわからないし、伊達政宗も通名は藤次郎です。

スセリヒメ、はどういう意味だったのでしょう?

私は色々考えてみたのですが、案外シンプルに「須佐理姫/すさりひめ」の転訛なのではと思います。

出雲弁はズーズー弁(東北弁)に似ている、とよく聞きますが、東北って広いぞどこの方言だよどこの方言でもネイティブ同士ならお互いガチで外国語だぞ?

取り敢えず、私の住んでいる辺りでは母音が曖昧ですね。
「い」と「う」が混ざってるような言葉もありますし、的な言葉もありますし、「い」→「え」の転訛もあります。
出雲弁はどういう傾向かわかりませんが、やはり母音が曖昧と聞いたことはありますので、「すさりひめ」→「すせりひめ」もあり得るのかなぁと。

「すさりひめ」なら「すさ」は須佐之男のすさで「り」は語調を整える接尾語。
尤も、「須佐/すさ」にも意味があって、「朱砂/すさ」で製鉄に関係しているかもしれないのですが。
※ 川が赤く見えるほどの砂が流れるそうです

それでは、これにて、瀬織津姫と須勢理姫という、ふたりの妻神様のお話を終えたいと思います。


2022. 12. 03  
私、古文の、特に和歌の授業が大嫌いだったんですよね。それは、「掛詞/かけことば」の所為です。

掛詞:和歌などにおける、同音異義を利用して1語に2つ以上の意味を持たせる修辞技法の一つ。(wiki)

っていうやつで、高校生の時の私は駄洒落じゃんつまんねーと思ってました。
どの辺「をかし」なのか全然わかんなかったんですよ。
※ 因みに今でも駄洒落じゃんと思っています。

でも、古事記は万葉仮名で書かれている程度に駄洒落だらけです。
例えば、大物主が「海あま」を「光し/てらし」(照らし)てやってきたという記述から、

実は大物主=天照(アマテラス)だよ~ん♪という意味だというのを読み取れなければ、古事記は読み解けないんです。多分。

で、正妻で月の姫である向津媛が誰の正妻かというと、「アマテラスの荒魂」でネタバレしてます。
天照大神の荒魂=女神アマテラス本人である月の姫です。

天照も掛詞で、日や月に掛かりますが、和歌で詠まれているのは圧倒的に「天照る月」です。
確かに、日=太陽って、あんまり「をかし」な風情じゃありませんね。歌に詠みたくなるのは「月」なのでしょう。

でも、天照国照彦火明櫛玉饒速日命という、こちらも長々しいお名前の方は、太陽神もしくは太陽のような王、という意味です。

ポイントは「火明/ほあかり」です。
天照、だけじゃ太陽になれない。

詳しくは、『記紀・万葉でたどる奈良』サイト様の中の『Column 歴史の行間 05』にある鏡作坐天照御魂神社(かがみつくりにますあまてるみたまじんじゃ)の宮司さんの貴重なお言葉をお読み下さい。

太陽は「火」なんです。だから、火明であるニギハヤヒの「天照」は、ニギハヤヒの「日」に掛かっている。
ニギハヤヒが単に神話の中の存在であるなら「太陽神」でいいんですが、実在の人物だとすると「太陽王」でルイ14世かよ。

ふと、ルイ14世が何で太陽王なんだっけ?と思ってぐぐってみたら、

>メヌエットを宮廷舞踊に取り入れ、メヌエットを最初に踊った人と言われ、その時、太陽神アポロンに変装して踊った姿から「太陽王」と言う諢名がついたとも言われる。

こっちも太陽神だったか……

話を戻して、天照らす月の姫の向津媛が誰の正妻かというと、太陽の王、天照ニギハヤヒの后なのでしょう。
瀬織津姫の別名なんですから、向津媛=瀬織津姫で、瀬織津姫が男神アマテルの后になります。

ですが、籠神社の公式見解は「ニギハヤヒの妻はイチキシマヒメ」です。

(つづく)
プロフィール

chikaru414

Author:chikaru414
日本の神話と神社仏閣、それにまつわる歴史が好きです。
スサノオ様、スセリヒメ様はじめ出雲の神様と水神様推し。
ホlツlマlツタヱ・富l家l伝承・徐l福l伝l承・日lユl同l祖l論・アlイlヌl先l住l民族説お断り。

定義山西方寺を崇敬。秋篠宮家と伊達政宗公を尊敬する伊達家家臣末裔です。
透明水彩絵師。

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